中古マンションには、リノベーションに適した物件と、そうでない物件があります。
ここでは、「リノベーションに向かない物件」の特徴を解説します。
物件の購入は人生における大きな決断のひとつです。
購入後に「希望のリノベーションができなかった…」と後悔しないためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう。
リノベーションに向かない物件
古すぎる物件
一般的に、リノベーションに適しているのは築20〜30年程度の中古マンションと言われています。その理由は以下の3つです。
価格が底値
マンションの価格は、築20年ほどで底値になることが多いです。
築20〜30年の物件を選べば、比較的割安に購入できる可能性があります。
耐震性
築年数が古い物件で気になるのが耐震性です。
1981年6月1日以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の建物であれば、建築基準法上の耐震性に問題はありません。
建物の耐用年数
RC(鉄筋コンクリート)造のマンションの法定耐用年数は47年とされています。
これは建物の寿命ではありませんが、物件を選ぶ際の目安にはなるでしょう。
構造上の問題がある物件
中古マンションには、構造上の理由でリノベーションが難しいものがあります。
排水の構造
一般的なマンションでは、各住戸の「床下」に排水管が通る「床スラブ上配管」が採用されています。
しかし、築年数の古い物件では、階下の天井裏に排水管が通る「床スラブ貫通配管」が使われていることがあります。
この場合、水回りの移動が困難になります。
壁の構造
鉄筋コンクリート造のマンションには、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類があります。
築古のマンションでは「壁式構造」が採用されていることがあり、この場合、間仕切り壁の撤去が難しく、間取り変更が制限される可能性があります。
「壁を取り払って広々としたワンルームにしたい」といったリノベーションができない場合があるため、注意が必要です。
マンションの規約
マンションの管理規約によっては、「リフォームに近隣住民の同意が必要」と定められている場合があります。
実際に、購入後に隣人の反対でリフォームができなかったケースもあるため、事前に規約を確認することが大切です。
「リノベーションに向かない」と言われる物件でも大丈夫?
ここまで、「リノベーションに向かない」とされる物件の特徴を紹介しました。
しかし、これらの基準はあくまで一般論です。
例えば、RC造の建物は実際には100年以上もつとも言われています。
また、私は阪神大震災を経験しており、耐震基準よりも室内の防災対策の方が重要だと考えているため、耐震性についてはあまり気にしませんでした。
そして、私が購入した物件は、排水の構造が「床スラブ貫通配管」でした。
実は、こういった構造の問題は、解体してみないと分からない場合もあります。
実は、私自身、これらの「リノベーションに向かない」とされる情報を後から知ったのです。
私が購入した物件をご紹介
では、実際に私が購入した物件をご紹介します。
駅から徒歩12分/築50年/55㎡/880万円
この物件を選んだ理由は、以下の3つです。
① 価格が安かった
リノベーションに予算をかけたかったので、「物件価格はできるだけ安い方がいい」と考えていました。
② 駅から徒歩圏内だった
電車通勤だったため、駅から徒歩圏内は必須条件でした。
築年数が古いことは気になりましたが、立地の良さを優先しました。
③ フルリノベーションが可能だった
私が利用した不動産会社は、「ワンストップサービス」を提供していました。
これは、不動産仲介とリフォームをセットで行うサービスです。
そのため、内見の段階でリフォーム担当者に同行してもらい、私の希望する「広々としたワンルーム」が実現できるかどうかを確認してもらいました。
また、物件購入時点でマンションの管理規約もチェック**してもらい、リノベーションが可能かどうか事前に確認することができました。
知識ゼロでの挑戦、そして気づいたこと
私は、フルリノベーションを成功させた友人の話を聞き、気持ちが高まりました。
勢いのまま行動し、本を読んだりセミナーに参加したりする前に、知識ゼロの状態で物件購入とフルリノベーションにチャレンジしてしまったのです。
今振り返ると「無謀だったな…」と思うこともありますし、後悔している部分もあります。
ですが、あの時の勢いがなければ、この住まいは完成しなかったとも感じています。
「リノベーションに向かない」と言われる物件には、確かに注意点があるものの、必ずしもリノベーションができないわけではありません。
大切なのは、リスクを理解し、問題を解決しながら進めることです。
「問題を解決していく過程」こそが、リノベーションの醍醐味だと感じています。
次回は「ワンストップサービス」についてご紹介します。
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